ハイチのマテリ元大統領が帰国、理由明らかにせず、汚職疑惑で制裁も
マテリ氏は2011年から2016年まで大統領を務めた。
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ハイチのマテリ(Michel Martelly )元大統領が15日、約3年ぶりに帰国した。米国を拠点に生活する同氏は、首都ポルトープランスで支持者の出迎えを受けたが、帰国の目的については明らかにしなかった。一方、地元メディアは、2021年7月に発生したモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺事件を巡る捜査の一環として事情聴取を受ける可能性があると報じており、国内外の関心が集まっている。
マテリ氏は2011年から2016年まで大統領を務めた。任期中は人気歌手「スウィート・ミッキー(Sweet Micky)」としての知名度を背景に支持を集めた一方、政権運営を巡っては汚職疑惑や治安悪化への対応不足がたびたび指摘されてきた。
ポストープランス空港では支持者らが音楽を流し、「父が戻ってきた」「マテリ万歳」と歓声を上げ、写真を掲げながら歓迎した。マテリ氏は笑顔を見せながら支援者と握手を交わしたものの、報道陣の質問には応じず、そのまま空港を後にした。
暗殺事件への関与について同氏が訴追された事実はなく、現時点で容疑者として扱われてもいない。しかし、事件の真相解明が進まない中での帰国だけに、その動向に注目が集まっている。
一方、マテリ氏は近年、国際社会から相次いで制裁を受けている。カナダ政府は2022年、同氏に対する制裁を発動し、2024年には米国が麻薬密売を助長し、複数の犯罪組織を支援したとして資産凍結などの制裁を科した。さらに2025年には欧州連合(EU)も、政治的影響力の維持や個人の利益のためにギャングに資金や武器を提供したとして、渡航禁止と資産凍結を決定した。ハイチの反汚職機関も資産申告を巡る問題を指摘しているが、マテリ氏はこれらの疑惑について公の場でコメントしていない。
今回の帰国は、ハイチが深刻な政治・治安危機に直面する中で実現した。ポルトープランスでは武装ギャングによる暴力が続き、経済の停滞や貧困も深刻化している。長年延期されてきた選挙の実施に向けた動きが進む一方、国家統治への信頼回復は容易ではない。国内政治でなお一定の影響力を持つとされるマテリ氏の帰国が、暗殺事件の捜査や今後の政治情勢にどのような影響を与えるのか、国内外の注目が集まっている。
