◎公正取引委員会は最近、いくつかの製品の価格が3倍以上に不当に吊り上げられた疑いがあると発表していた。
2022年3月29日/エルサルバドルの刑務所に移送されるギャング(Fred Ramos/The Washington Post)

中米エルサルバドルのブケレ(Nayib Bukele)大統領は5日、全国の卸売業者や流通業者などに対し、商品の価格を不当に吊り上げないよう求め、応じない場合は厳しく取り締まると警告した。

ブケレ氏はテレビ演説で、「最近食料品を含む基本的な商品の価格が急騰している」と述べ、不当な価格つり上げが確認された場合、ギャングに使用している戦術を使うと脅した。

「私は2年前、ギャングに人を殺すのをやめるか、その後何が起きても文句を言わないか、選ぶよう求めました。業者の皆さん、価格を吊り上げて国民を虐待するのをやめるか、ギャングのようになるか、選んでください」

ブケレ氏は2022年3月、ギャング関連の殺人事件が多発したことを受け、非常事態を宣言。刑法を改正するなどしてギャング掃討を開始した。

それ以降に逮捕されたギャングまたはギャングと疑われる市民は8万人近くに達した。そのうち約7000人は証拠不十分で釈放されている。

非常事態令により、警察の権限は大幅に強化され、結社の自由や弁護人を選任する権利なども制限。警察は令状なしで家宅捜索を行ったり被疑者を拘束できるようになった。

ブケレ氏は「これは冗談ではない」と強調。「明日までに商品の価格が下がると確信している」と述べた。

またブケレ氏は「ギャング非常事態令で業者を摘発することは恐らくできないが、脱税、贈収賄、禁制品の輸入など、不正に関与した業者は別である」と警告した。

公正取引委員会は最近、いくつかの製品の価格が3倍以上に不当に吊り上げられた疑いがあると発表。政府はその後、公正な価格で製品を流通させるために、20の販売・検査拠点を設置すると明らかにした。

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