◎プエルトリコは2017年のハリケーンで送電網が壊滅的な被害を受けて以来、送配電設備の改修を急いできた。
2024年9月7日/米領プエルトリコ、首都サンフアンのレストラン(ロイター通信)

米領プエルトリコの民間電力会社2社が11日、送電網を安定させるための計画を公表した。

プエルトリコは2017年のハリケーンで送電網が壊滅的な被害を受けて以来、送配電設備の改修を急いできた。地元メディアによると、建て替えが必要な鉄塔は全体の40%にのぼる。

首都サンフアンを含む複数の都市で1週間以上前から続く停電が解消される見通しは立っていないようだ。

送配電会社ルマ・エナジーと発電所を管理するジェネラPRの社長らはサンフアンでエネルギー省の高官らと会談。5時間以上に渡って質問に答えた。

同省は今年6月、両社に対し、送電線や発電所の設備を含む島内の電力システムを改善するための計画を速やかに作成するよう命じた。

ルマ・エナジーの社長は地元テレビ局の取材に対し、「同社の送電網とジェネラPRの発電所や変電所は高い確率で故障に見舞われている」と語った。

ルマ・エナジーによる送電網の改修工事は7年前から続いている。ハリケーン・マリアによる電力設備への被害額は97億ドル(約1兆3800億円)と推定されている。

2022年のハリケーン・フィオナも送電網に打撃を与え、全島停電を引き起こした、先月中旬の熱帯低気圧でも多くの被害が確認されている。

協議を主催したエネルギー省の顧問は両社に対し、「この遅れは何ですか?」と問いただした。「これほど停電が慢性化している理由を説明してください...」

ルマ・エナジーによると、1万7000本以上の配電柱を建て替え、さらに7700キロを超える送電線を張り替えたり、数百基の鉄塔を建て替えには数十年かかるという。

送電網再建の資金援助を行っている米連邦緊急事態管理庁(FEMA)に提出されて改修プロジェクト460件のうち、144件が進行中である。

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