◎アカプルコはメキシコを代表する人気観光地のひとつだったものの、数年前から麻薬カルテルとギャング関連の抗争が続発。観光業が壊滅的な被害を受けた。
メキシコ警察の特殊部隊(Herika Martinez/Getty Images/AFP通信)

メキシコ南部ゲレロ州のリゾート地アカプルコで警察幹部が何者かに射殺された。地元当局が11日、明らかにした。

それによると、事件はアカプルコ郊外の路上で発生。正体不明の武装集団が交通警察の幹部とされる男性を射殺したという。

警察が現場を封鎖し、殺人事件として捜査している。

アカプルコはメキシコを代表する人気観光地のひとつだったものの、数年前から麻薬カルテルとギャング関連の抗争が続発。観光業が壊滅的な被害を受けた。

ゲレロ州の支配権を争う麻薬組織ファミリア・ミチョアカーナや他のカルテル傘下ギャングは対立組織の構成員や警察官を拷問、処刑することがある。

地元メディアは専門家の話しとして、「ファミリア・ミチョアカーナは支配下に置くバスやタクシーの運転手が交通警察の取り締まりの対象になったことに腹を立て、その幹部を見せしめに処刑した可能性がある」と伝えている。

ソーシャルメディアで先月拡散した動画にはファミリア・ミチョアカーナの構成員とされる男たちがバスの運転手を激しく殴打する様子が映っていた。

別の動画にはギャングとみられる男たちがバスの運転手を何度も平手打ちし、「真面目に働け」「警察の言いなりになるな」と叫ぶところが映っていた。

この男たちは運転手に対し、警察の動きを監視し、毎日売り上げを報告するよう求めている。

アカプルコを含むゲレロ州内の観光地では今年1月、カルテルの暴力に抗議するバス・タクシー運転手数百人がストライキを決行した。

アカプルコの商工会議所によると、カルテルやギャングの脅迫・攻撃により、市内のタクシーの約90%が営業を自粛しているという。

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