◎昨年ダリエン地峡を通過した移民は52万人を突破。22年の2倍以上に急増し、過去最高を更新した。
コロンビアとパナマの国境「ダリエン地峡」を進む移民(Fernando Vergara/AP通信)

中米パナマの次期大統領であるムリノ(José Raúl Mulino)元外相が同国とコロンビアの間にある危険な密林地帯「ダリエン地峡(Darien Gap)」を閉鎖すると表明した。

それによると、ムリノ氏はダリエンの主要ルートを閉鎖したうえで、米国への亡命を求める移民を厳しく取り締まると示唆したという。

現政権はダリエンの入口と出口を整備したり、迷いやすい地点に看板を設置したり、移民をバス輸送するなど、人道支援を優先してきた。

ムリノ氏は先週の選挙で勝利。7月1日に就任する予定だ。

昨年ダリエン地峡を通過した移民は52万人を突破。22年の2倍以上に急増し、過去最高を更新した。

そこを通過した移民は中米とメキシコを巻き込んで米南部国境を目指す。米当局が昨年拘束した移民は250万人に達した。

ムリノ氏は9日午後の演説で、「パナマは移民の通り道ではない」と強調した。

またムリノ氏は「ダリエンの混乱を終わらせる必要がある」と述べた。

一部の専門家はダリエンを閉鎖しても移民の大移動を阻止することはできないと主張している。そこで活動する人身売買組織は移民から金を巻き上げ、トラックなどで輸送するルートも確立している。

ダリエンは近年の整備で比較的通過しやすい「最も手頃なルート」となった。

昨年ダリエンに入った移民のほぼ半数がベネズエラ人であった。時点はエクアドルとハイチの数万人。アフガン難民は4000人ほど。中国人が保護されたケースもある。

メキシコは米政府の圧力を受け、移民を厳しく取り締まっている。

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