◎メキシコはシリアやアフガニスタンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつとされ、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人と推定されている。
メキシコのギャング(Getty Images)

メキシコの麻薬カルテルやギャングの支配下に置かれている町に立ち入る際は通行料を支払わなければならないようだ。国勢調査を行っている統計局が28日、明らかにした。

それによると、統計局は昨年、一部の町や集落に入る際、武装したギャングに現金を支払い、立ち入り許可をもらったという。

統計局の責任者は28日に行われた連邦議会の公聴会で、「国勢調査の聞き取りを行うために犯罪者に現金を支払ったことを遺憾に思う」と証言した。

ある集落では国勢調査員がカルテルとつながりのあるギャングに誘拐され、今も行方不明のままである。

カルテルは主に農村部に拠点を置き、ライバルカルテルやギャングの侵入を防ぐために関所を設けている。

統計局はそのような地域で国勢調査を行う蔡、ギャングの構成員を雇うこともあるそうだ。

統計局の責任者は委員会の中で、「場合によってはその場で現金を支払ったり、その町・集落に詳しい地元の犯罪者を雇ったりすることもある」と語った。

それによると、カルテルの支配下に置かれている中北部のある地域では放棄された集落がいくつか見つかったという。

メキシコはシリアやアフガニスタンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつとされ、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人と推定されている。

中北部、西部、米国国境付近などでは世界最大の麻薬組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」や同国№2の麻薬カルテル「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」、その他の武装ギャングや犯罪集団が縄張り争いを繰り広げている。

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