◎オブラドール大統領「石油の時代は終わった?本当ですか?」
2017年4月18日/メキシコ、中部イダルゴ州の製油所(Carlos Jasso/ロイター通信)

メキシコのオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領は1日、湾岸地域に完成した新しい製油所を絶賛し、「石油は夢を叶える」と述べた。

オブラドール氏は故郷タバスコ州で建設が進められていた製油所の落成式に出席し、「石油の時代は終わったという警告を無視しよう」と語った。「石油の時代は終わった?本当ですか?」

オブラドール氏は石油に固執し、民間の再生可能エネルギー計画に反対している。政府は1日、ドイツの自動車大手アウディが提出した自社の工場内に太陽光発電施設を建設するという申請を却下した。

オブラドール氏が推進する製油所建設プロジェクトの総費用は120億ドルと見込まれている。予算要求時は90億ドルだった。

オブラドール氏は輸入に頼ってきたガソリンの完全自給を目指す計画の一環として製油所建設を推し進めている。政府の公式データによると、最後に製油所が建設されたのは1970年代。

オブラドール氏は落成式の中で、「私たちは石油の時代は終わるという警告に耳を傾けません」と語った。「電気自動車と再生可能エネルギーの時代が到来するそうです。自然と景観を破壊する太陽光パネルをもっと増やしましょう!」

環境省は1日、アウディ・メキシコが提出した中部プエブラ州の工場内に太陽光発電施設を建設するという許可申請を技術的な理由で却下した。

オブラドール氏は民間のガス会社や再生可能エネルギー施設が販売できる電力量を制限し、国営企業を後押しする法律を成立させている。

メキシコの民間電力会社は主に再生可能エネルギー発電所を、国営電力会社は火力発電所を運用している。政府が提案した電力自由化を見直す憲法改正案は今年4月、野党の反対で否決された。

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