◎地元テレビ局は女性が何度も踏みつけられたり、殴られたりするところをライブ中継した。
2024年3月28日/メキシコ、南西部ゲレロ州タスコ、少女を誘拐・殺害したとみられる女性を引きずり出す暴徒(AP通信)

メキシコ南西部ゲレロ州タスコで28日、8歳の少女を誘拐・殺害したとされる女性が暴徒に襲われ、警察官の目の前で撲殺された。

少女の遺体はゲレロ州内で28日未明に発見された。警察が公開した監視カメラにはこの女性と男性が少女の遺体と思われるものをタクシーに積み込む様子が映っていた。

AP通信によると、100人以上の暴徒がこの女性の自宅を取り囲み、処刑すると脅したという。

その後、緊急出動した警察が女性を保護し、トラックの後部座席に乗せたものの、暴徒の勢いに圧倒され撤退。暴徒は女性を引きずり出し、地面にたたきつけた。

地元テレビ局は女性が何度も踏みつけられたり、殴られたりするところをライブ中継した。

その後、警察と消防が女性の遺体を収容した。地元メディアによると、女性の顔は見分けがつかないほど損傷していたという。

暴徒のひとりはAPの取材に対し、「誘拐犯、殺人犯はその場で処刑すべきだ」と語った。「人の命を奪った者はその命で罪を償うべきです...」

ゲレロ州検察は声明で、「少女が誘拐・殺害されたことに対する市民の怒りを理解している」と表明した。

警察によると、誘拐に関与したとみられる男性2人が連行されたという。

暴徒が逮捕されたという情報はない。

ゲレロ州は同国で最も危険な地域のひとつであり、複数の麻薬カルテルが10年以上前から血生臭い縄張り争いを繰り広げてきた。昨年10月末には市内の高速道路で警察官13人の遺体が見つかっている。

ゲレロ州チラパでは今月中頃、市長選に立候補していた候補が何者かに殺害される事件が発生。今月初めにも別の市長選に立候補していた候補が射殺されている。容疑者は捕まっていない。

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