◎シェインバウム氏は10月1日に就任する予定だ。
メキシコのシェインバウム次期大統領(AP通信)

メキシコシェインバウム(Claudia Sheinbaum)次期大統領が4日、主要閣僚候補を発表し、変化を望む有権者の希望を打ち砕いた。

それによると、オブラドール政権下で治安回復に失敗したロドリゲス(Rosa Icela Rodríguez)氏が内務長官に就任する予定。

内務長官は最高ポストのひとつであり、デモ参加者や32の州知事との交渉などを担当する。

シェインバウム氏は10月1日に就任する予定だ。

大方の予想通り、シェインバウム氏が市長自体にメキシコシティ警察の署長を務めたガルシア(Omar García Harfuch)氏が公安局の長官に内定した。

ロドリゲス氏は演説が苦手で、閣僚経験ゼロ、選挙運動も経験したことがない。

地元メディアによると、内務長官に経験豊富な政治家が選ばれなかったのは初めて。内務長官は反抗的な州知事や人権団体のトップなどとの厳しい交渉に臨まなければならない。

ロドリゲス氏は公安部門のトップを務めた際、オブラドール氏が「抱擁」と呼ぶ麻薬カルテル・ギャング戦略と密接に関係していた。

オブラドール氏はこの6年間、カルテルやギャングの激しい暴力に対処できず、殺人件数や行方不明者を減らすことに失敗した。

シェインバウム氏はオブラドール氏の与党・国家再生運動(MORENA)所属。就任後、オブラドール政権の政策を継続すると公約している。

メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は10万人以上と推定されている。

オブラドール氏はカルテルやギャングによる暴力を抑え込んだと長年主張してきたが、先月行われた総選挙の期間中、全国で少なくとも34人の政治家(候補含む)が殺害される異常事態となった。

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