◎メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は10万人以上と推定されている。
2024年5月1日/メキシコ、首都メキシコシティ郊外、人骨が見つかったエリアを封鎖する警察官(Getty Images)

メキシコ・首都メキシコシティ郊外で秘密の火葬場が見つかり、警察が捜査している。現地メディアが1日に報じた。

それによると、行方不明者を捜索している民間の団体が現場で複数の人骨を見つけ、警察に通報したという。

メキシコシティで麻薬カルテルのものとみられる死体処理場が見つかったのは初めて。

専門家によると、カルテルはライバル組織の構成員や反対派をドラム缶に入れて焼いたり、溶かしたりして処理する。

西部シナロア州に拠点を置く民間団体はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「4月30日の夜にメキシコシティ郊外の住宅地から離れた空き地で大きな穴を見つけ、頭蓋骨を含む複数の人骨を発見した」と書き込んだ。

それによると、穴の中だけでなく、その周辺にも人間のものとみられる骨が散乱していたという。

AP通信は関係者の話しとして、「団体はIDカードも複数発見し、警察に提出した」と伝えている。

警察が現場を封鎖し、それ以外のものが残されていないが調べている。

メキシコシティ地検は1日、「近くの防犯カメラを解析中。情報提供も呼び掛けている」と明らかにした。

オブラドール政権はメキシコシティにカルテルの支配地域があるという民間団体の主張を否定している。

メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、それに巻き込まれて行方不明になった人は10万人以上と推定されている。

報道によると、行方不明者を探す団体はカルテルやギャングの標的になりやすく、2021年以降、この活動に参加した市民少なくとも7人が殺害されている。

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