◎5人は28日に銃撃され、カメラマン2人が意識不明の重体。
メキシコ、首都メキシコシティの警察(Getty Images)

メキシコ当局は29日、正体不明の武装集団が報道カメラマン4人とジャーナリスト1人を銃撃し、そのうち2人が重篤な状態であると明らかにした。

それによると、5人は28日に銃撃され、カメラマン2人が意識不明の重体だという。

カメラマン4人は南西部ゲレロ州チルパンシンゴの犯罪現場を取材した後、武装集団の襲撃を受けた。

オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は29日の定例会見でこの銃撃事件に言及。「大変遺憾に思う」と述べ、警察が捜査に当たっていると強調した。

カメラマン襲撃から数時間後、隣のミチョアカン州で新たな銃撃事件が発生。地元紙の記者が負傷し、病院に搬送された。

地元メディアは警察筋の話しとして、「記者と同行者1人が被弾し、重傷を負った」と伝えている。

ゲレロ州では先週、ジャーナリスト少なくとも3人が武装集団に誘拐される事件が発生。3人は解放されたが、事件の詳細は明らかになっておらず、逮捕者が出たかどうかも不明である。

ゲレロ州は世界最大の麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」を含む12の麻薬カルテルと武装ギャングによる縄張り争いの舞台となっている。

メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつとされ、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、行方不明者は数万人と推定されている。

北部チワワ州シウダー・フアレスでは今月、ジャーナリスト1人が何者かに射殺された。今年メキシコで殺害された記者は5人となった。

米国の非営利団体ジャーナリスト保護委員会(CPJ)によると、メキシコで過去5年の間に殺害された記者は少なくとも54人。数十人が行方不明になっている。その多くがカルテルもしくはギャングの抗争に巻き込まれたり、誘拐されたとみられる。

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