◎2022年の殺人件数は3万2223件。2021年比で9.7%減となった。
2022年4月22日/メキシコ、首都メキシコシティ、殺害された18歳女性を悼む集会(Eduardo Verdugo/AP通信)

メキシコの昨年の殺人件数が数年ぶりに減少に転じた。統計局が25日、明らかにした。

それによると、2022年の殺人件数は3万2223件。2021年比で9.7%減となった。22年の人口10万人あたりの殺人件数は25件。21年は28件だった。

オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は25日の定例会見で、「これは弾丸ではなく対話。抱擁政策が機能していることを示している」と語った。

オブラドール氏は2018年の就任以来、麻薬カルテルやギャング関連の暴力に悩まされている。

統計局によると、今年上半期の全国の認知されている殺人件数は1万5122件。昨年同期は1万5381件であり、ほぼ横ばいとなった。

ちなみに、米国の2021年の10万人あたり殺人件数は7.8件であった。

統計局が今回公表した数値は速報値である。これは死亡証明書に基づいているため、信頼性が高いと考えられている。

メキシコはシリアやアフガニスタンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつとされ、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人と推定されている。

同国の殺人・失踪事件の多くに麻薬カルテルが絡んでいる。カルテルや密輸以外にも殺人、強盗、誘拐、恐喝などを生業にしている。

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