メキシコ大統領「米国の極右勢力が攻撃を仕掛けている」
シェインバウム氏は首都メキシコシティで開かれた集会でも、米国の政府機関や企業関係者がメキシコ政治に介入しようとしていると主張していた。
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メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領が米国に対する批判を一段と強めている。シェインバウム氏は6月1日の定例会見で、米国内の極右勢力がメキシコ国内の反政府勢力と連携し、自身の政権に「攻撃」を仕掛けていると主張した。これまで米国との対立を避けながら関係維持を図ってきた同氏だが、最近は主権侵害への警戒感を前面に押し出し、強硬な姿勢へと転じつつある。
シェインバウム氏は首都メキシコシティで開かれた集会でも、米国の政府機関や企業関係者がメキシコ政治に介入しようとしていると主張していた。一方で、批判の矛先はトランプ(Donald Trump)大統領個人には向けず、「問題は米国の極右勢力にある」と説明している。両国関係はトランプ政権発足以降、関税政策や移民問題をめぐって緊張が続いており、今回の発言はその対立が新たな段階に入ったことを示している。
対立激化の背景には、米司法省によるメキシコ政府関係者への捜査がある。米当局は4月、与党・国家再生運動(MORENA)に所属するシナロア州知事を含む複数の政治家を麻薬カルテルとの関係で起訴した。これに対しシェインバウム政権は証拠が不十分なまま政治的意図で告発が行われていると反発し、米国による内政干渉との認識を強めている。
こうした中、メキシコ議会は先月、「外国からの干渉」が確認された場合に選挙結果を無効にできる憲法改正案を可決した。法案では、違法な資金提供や外国政府による政治的圧力、デジタル空間での世論操作などが干渉行為として定義されている。シェインバウム氏は国家主権を守るために必要な措置だと主張するが、野党や一部の専門家からは、政権に不利な選挙結果を覆す口実として利用される危険性があるとの懸念も出ている。
それでもシェインバウム政権の支持率は高水準を維持している。地元紙の世論調査によると、支持率は60~70%に達し、国民の多くが対米関係よりも治安や経済政策を重視しているとみられる。もっとも、米国はメキシコ最大の貿易相手国であり、経済や安全保障面での結び付きは極めて強い。今後、両国の対立がさらに深まれば、貿易協定や移民対策、麻薬取締り協力にも影響が及ぶ可能性がある。シェインバウム氏が掲げる「主権防衛」が国内政治で追い風となる一方、対米関係の悪化という外交上のリスクも抱えることになりそうだ。
