メキシコ当局がコカイン3トン押収、カルテルがW杯に合わせて供給網拡大か
押収は6月22日に南部ゲレロ州と首都メキシコシティに隣接するトラスカラ州で実施された。
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メキシコ当局が先週、国内2カ所で3トンを超えるコカインを押収した。専門家の間では、FIFAワールドカップ北中米大会に伴う観光客の急増を見越し、麻薬カルテルが首都圏周辺に大量の薬物を移送していた可能性があるとの見方が浮上している。一方、当局は現時点で押収とワールドカップとの直接的な関連は確認できていないとしている。
押収は6月22日に南部ゲレロ州と首都メキシコシティに隣接するトラスカラ州で実施された。治安当局は両地域で合わせて3トンを超えるコカインを発見・押収し、カルテルの流通網に大きな打撃を与えたとしている。特にトラスカラ州は麻薬輸送ルートとして知られておらず、大規模な押収が行われるのは極めて異例であることから、専門家の注目を集めている。
専門家はこの異例の動きについて、ワールドカップ開催期間中の需要増加に対応するため、カルテルが首都近郊に薬物を集積していた可能性が高いと分析する。ワールドカップではメキシコシティを含む開催都市に550万人の来訪者が見込まれており、観光客の増加に伴って違法薬物の需要も一時的に拡大すると予測されている。専門家は「企業が大型イベントに向けて在庫を確保するように、カルテルも需要の急増を見越して供給体制を整えている」と指摘している。
実際にメキシコシティで活動する密売関係者も、ワールドカップ期間中は外国人観光客を中心にコカイン需要が高まるとの見方を示している。大量の観光客が流入する国際的なスポーツ大会では、飲食店や娯楽施設の利用が増えるだけでなく、違法薬物市場も活発化する傾向があるとされる。専門家は、首都周辺での大規模押収は、その需要増加を見込んだ犯罪組織の動きを反映している可能性があるとみている。
一方、トラスカラ州政府の報道官は今回の押収について、「国際イベントやカルテルとの関連を示す証拠は現時点で確認されていない」と説明し、捜査が継続中として慎重な姿勢を示した。中央政府も公式にはワールドカップとの関連性について言及しておらず、押収の背景については今後の捜査で明らかになる見通しである。
国連薬物犯罪事務所(UNODC)の2026年版「世界薬物報告書」によると、世界のコカイン生産量は過去10年間で約4倍に増加し、過去最高水準となっている。中南米から北米や欧州への密輸は依然として拡大傾向にあり、国際的な薬物取引が活発化している。今回の押収は世界規模で拡大するコカイン市場と、国際イベントを狙った犯罪組織の動向を浮き彫りにした事例として注目されている。
