◎ハリスコ新世代は世界最大の麻薬組織「シナロアカルテル」と対立する同国№2の規模を有す凶悪組織である。
2019年11月8/メキシコ、ソノラ州、警察の特殊部隊(Herika Martinez/Getty Images/AFP通信)

メキシコの警察当局は18日、首都メキシコシティ郊外で麻薬カルテル絡みの銃撃戦が発生し、警察官3人が死亡、カルテルの構成員7人を逮捕したと発表した。

同国の北部や西部ではカルテルの暴力事件が多発しているものの、首都で銃撃戦が発生することは滅多にない。

地元警察によると、事件は17日未明に発生。警察はメキシコシティ東端で殺人・誘拐に関与したとされるグループの隠れ家を取り締まったという。

警察は隠れ家で誘拐されたとみられる市民4人を発見。その後、銃撃戦が発生し、警察官2人が死亡した。

容疑者たちは車でメキシコシティ中心部に向け逃亡。警察は追跡中も発砲し続け、その途中で警察官1人が死亡。容疑者を乗せた車は途中で街灯に衝突した。

この事故で数人が負傷し、徒歩で逃走を試みた者もいたが、警察はまもなく全員の身柄を確保した。

地元警察によると、逮捕した7人のうち1人は女。隠れ家と車から高性能ライフルなどが押収された。

メキシコシティ警察の署長は記者会見で、「容疑者たちはハリスコ新世代(Jalisco New Generation)に所属する戦闘員とみられる」と語った。

ハリスコ新世代は世界最大の麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」と対立する同国№2の規模を有す凶悪組織である。

署長は「容疑者たちはメキシコシティの市街地にある隠れ家に逃げ込むつもりだった」と述べた。

メキシコシティ当局はハリスコ新世代が市内で一定の存在感を示していることに懸念を抱いてきた。

専門家によると、メキシコシティ警察の規模(約9万人所属)は非常に大きく、陸軍も市内をパトロールしているため、カルテルやギャング間抗争は滅多に起きないという。

しかし、警察の目が届きにくい郊外では他の地域ほどではないものの、誘拐や殺人事件が報告されている。

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