◎ヌエボラレドはメキシコで最も危険な地域のひとつであり、麻薬密輸組織セタスから分裂したカルテルの支配下に置かれている。
メキシコ陸軍の兵士(Getty Images)

メキシコ当局は27日、米国との国境に近い北部ヌエボラレドで陸軍の兵士と住民が衝突したと報告した。

地元の人権団体などによると、兵士が市内を走行していたピックアップトラックに発砲。住民がこれに激怒し、乱闘になったという。

ある活動家はSNSに写真と動画を投稿。「この衝突で少なくとも3人が死亡した」と書き込んだ。

地元テレビ局によると、陸軍の報道官は質問に答えなかったという。

SNSで共有された動画にはピックアップトラック周辺で銃弾が飛び交う中、近くの路上で迷彩服を着た兵士と住民のように見える男たちがもみ合っている姿が映っている。

AP通信も目撃者の話を引用し、陸軍の兵士が走行中の車両に無差別に発砲したと報じている。それによると、銃撃に関与した部隊は住民と部隊の責任者が話し合っている最中にも発砲したという。

ヌエボラレドはメキシコで最も危険な地域のひとつであり、麻薬密輸組織セタスから分裂したカルテルの支配下に置かれている。

メキシコの麻薬カルテルは関係者が逮捕されると拘留や移送を避けるために騒ぎを起こすことがある。昨年11月にはヌエボラレドで「ニグロ35(Negro 35)」と呼ばれるカルテルの首領が逮捕された後、軍および警察を巻き込む銃撃戦が発生した。

ヌエボラレドはカルテルの暴力に何度も直面している。

昨年3月には警察車両が攻撃を受け、米国は領事館と検問所を一時閉鎖した。この事件もセタス関連のカルテル首領が逮捕された後に発生した。

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