◎遺体は麻薬カルテル「ハリスコ新世代」の支配エリア近くで発見された。
2021年4月3日/メキシコ、首都メキシコシティ郊外の墓地(Getty Images)

メキシコの検察当局は12日、中部ミチョアカン州郊外で23人の遺体を発見したと発表した。

遺体は温泉と泥パックで有名な湖畔の集落に遺棄されていたという。この温泉は強酸性として知られ、地元住民に親しまれている。

ミチョアカン州の検察当局によると、23人のうち身元を確認できたのは8人のみ。所持品や歯の治療記録で特定できたという。

検察の報道官は声明で、「残り15人の遺体はひどく損傷しており、DNA検査が必要と思われる」と述べた。

一部の地元メディアは警察筋の話を引用し、「23人は麻薬カルテルに殺害され、源泉の近くに遺棄され、ゆっくり溶かされた」と報じている。

警察は23人の死因や死後経過時間について、調査中と報告している。

遺体発見現場は麻薬カルテル「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」の支配エリアとされる町のすぐ近くに位置する。この町では2013年にハリスコ新世代のメッセージが刻印された60人以上の遺体が発見されている。

ハリスコ新生代は2009年に誕生した比較的新しい麻薬カルテルだが、数年で国内№2に成長し、№1のシナロアカルテル(Sinaloa Cartel)や他の武装勢力と衝突を繰り返している。

麻薬カルテルは殺害したライバル組織の構成員の遺体を秘密の埋葬地に遺棄する。カルテル絡みの行方不明者は10万人以上と推定されている。

メキシコはシリアやアフガニスタンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつとされ、2000年代中頃に本格化した麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人と見積もられている。

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