◎今年殺害された選挙候補はこれで16人となった。
メキシコ、北部タマウリパス州ヌエボラレドの通り(Getty Images)

メキシコ北東部タマウリパス州の市長候補が19日、何者かに殺害された。

同国では現在、6月2日の総選挙に向け、各地で選挙戦が繰り広げられている。オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領の後任を決める大統領選も同じ日に行われる。

今年殺害された選挙候補はこれで16人となった。

タマウリパス州の捜査当局によると、殺害されたのは野党の公認を受ける同州南部シウダード・マンテの現職であるラモス(Noé Ramos Ferretiz)市長。再選を目指していた。

それによると、ラモス氏は何者かに刺され、搬送先の病院で死亡したという。それ以上の詳細は明らかになっていない。

地元テレビ局はラモス氏が複数回刺され、失血死したと報じている。

ソーシャルメディアで共有された動画にはラモス氏とみられる男性が地面に横たわっている姿が映っていた。

オブラドール氏は声明でこの襲撃を非難。「力で選挙に影響を与えようとする勢力を徹底的に取り締まるよう、陸軍と警察に命じた」と強調した。

野党連合もラモス氏が殺害されたことに憤慨。ある地方議員は「暴力で民主主義を捻じ曲げようとする卑怯者たちに明日はない」とX(旧ツイッター)に書き込んだ。

タマウリパス州はメキシコで最も危険な地域のひとつであり、麻薬組織「湾岸カルテル」から派生した複数のギャング、世界最大の麻薬組織「シナロア・カルテル」、その他のカルテルが血生臭い縄張り争いを繰り広げている。

中部グアナフアト州セラヤでは今月1日、市長選に立候補していた女性候補が路上で何者かに射殺された。さらに、同じ市長選に立候補していた男性候補も2日朝に襲撃を受け、行方不明になっている。

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