◎メキシコでこのような虐殺事件は珍しくなく、その多くに麻薬カルテルが関与している。
美味しそうなブロッコリー(Getty Images)

メキシコの警察当局は20日、中部プエブラ州でブロッコリーを畑から盗もうとした男性が暴徒に殴られ、火刑に処されたと発表した。

AP通信によると、事件はプエブラ州郊外の集落で20日未明に発生。地元警察は暴徒の群れから男性を救いだしたものの、全身に大やけどを負い、まもなく死亡したという。

州検察は声明で、「私刑に関与した者をひとり残らず逮捕する」と約束した。

APは地検関係者の話しとして、「殺害された男性は貧困層とみられ、必要に迫られて畑に盗みに入った」と報じている。

それによると、私刑に関与した住民は150人ほどとみられ、ある一団が野球バットで男性をなぐり、ガソリンを浴びせ、火をつけたという。

地検は男性の身元と死因を明らかにしていない。警察が男性を救助した際に逮捕者が出たかどうかも不明である。

州検察は声明の中で、「いかなる理由があろうと、このような残虐行為は決して許されず、関与した者をひとり残らず告発する」と述べている。

メキシコでこのような虐殺事件は珍しくなく、その多くに麻薬カルテルが関与している。

プエブラ州の麻薬カルテルの支配下におかれる集落で2019年に発生した事件では、誘拐に関与したとされる男性7人が住民に殴り殺されている。住民数百人は男性7人を木材やバットで滅多打ちにした。

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