◎不法移民は安全保障を脅かす問題のひとつとなっている。
2021年1月17日/グアテマラとホンジュラスの国境付近(Getty Imagesges/AFP通信/PAメディア)

メキシコのオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領が17日、グアテマラのアレバロ(Bernardo Arévalo)大統領と南部の国境都市で会談し、共通の関心事である移民問題について協議した。

今年初めに就任したアレバロ氏は、1946年に父の故アレバロ(Juan José Arévalo)元大統領がメキシコ大統領と同じ街で会談したことに言及。「国境の問題が解決することを望んでいる」と強調した。

米政府は両国に国境警備を強化して、移民の流れをコントロールするよう圧力をかけている。

不法移民は安全保障を脅かす問題のひとつとなっている。

オブラドール氏は会談に先立ち、記者団に対し、「国境地帯の治安悪化を懸念している」と語った。

メキシコ南部のグアテマラ国境付近では世界最大の麻薬組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」と同国№2の「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」が支配権を争っている。

これらのカルテルやギャングは麻薬、人身売買、武器の密売で利益を上げており、人里離れた集落で抗争を繰り広げている。

グアテマラと国境を接する南部チアパス州では16日、正体不明の武装集団が選挙集会で銃を乱射し、市長候補ら5人を殺害した。

アレバロ氏は自身も国境周辺の治安に不安を覚えていると表明。「この問題にどう対処すべきか、オブラドール大統領と協議したい」と述べた。

グアテマラの西方、パナマとコロンビアの間にある危険な密林地帯「ダリエン地峡(Darien Gap)」を今年通過した移民は14万人近くに達している。

現在のペースでいけば、今年ダリエンを通過する移民は80万人に達し、昨年記録した過去最多の52万人を大幅に上回る可能性がある。

ダリエンを通過した移民はグアテマラを含む中米諸国とメキシコを経由し、米南部国境を目指す。米当局が昨年拘束した移民は250万人に達した。

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