◎14カ国と1地域で構成されるカリブ共同体(CARICOM)がアンリ首相の後を継ぐ暫定評議会の設置に向けた取り組みを主導している。
ハイチ、首都ポルトープランスのギャング(Getty Images/AFP通信)

ギャングの支配下に置かれる中米ハイチの暫定評議会が27日、初の公式声明を出し、委員の選出がまもなく完了すると示唆した。

評議会の委員は9人で構成され、そのうち8人が文書に署名した。

14カ国と1地域で構成されるカリブ共同体(CARICOM)がアンリ(Ariel Henry)首相の後を継ぐ暫定評議会の設置に向けた取り組みを主導している。

AP通信によると、最後の委員候補もまもなく評議会への参加に同意する見通し。

評議会は声明で、「私たちは悪政、多面的な暴力、数十年にわたって厳しい生活を余儀なくされてきた国民の苦しみを和らげるために行動する決意を固めている」と表明した。

また評議会は、「これが正式に発足次第、暫定首相を任命し、この国の民主主義、平和、安定、尊厳を取り戻す手助けをする」と述べた。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

首都ポルトープランスでは1年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

先月末に本格化した戦闘により警察官を含む数十人が死亡、3万3000人以上がポルトープランスから逃れた。

評議会は「国民の生命および財産の回復、貧困の救済、自由選挙の実施、国家の進歩に必要な改革を通じて、公共と民主主義の秩序を回復することを目的とした明確な行動計画を実行する」と約束した。

また評議会は「議長、新首相、閣僚を選出するために基準を策定した」と述べた。

国際空港の閉鎖で帰国できずにいるアンリ氏は暫定評議会が正式に発足次第、辞任すると表明している。

評議会はこう強調した。「我々は今、団結を必要とする重要な転換点にいる。全国民の幸福と、我が国のより良い未来のために、国民が一丸となってこの危機を乗り越えることが重要である...」

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