◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
2022年11月8日/ハイチ、首都ポルトープランスの燃料ターミナル入り口(Odelyn Joseph/AP通信)

ハイチ国家警察の長官が18日、東アフリカ・ケニアの首都ナイロビを訪問し、国連PKOを率いる警察庁長官と会談した。

国連PKOは6月末までに首都プラトープランス入りし、ギャングと対峙するハイチ警察を支援する予定である。

ハイチ警察は声明で、「両長官はギャングによる暴力や食料安全保障など、複数の問題について協議した」と述べた。

ケニアの地元メディアによると、両長官は1時間ほど会談し、PKOの活動方針やハイチ警察への支援を拡充することなどで一致したという。

ハイチの長官はポルトープランスに派遣される約1000人の部隊を率いる責任者とも面会した。

ケニアはハイチ警察の訓練もサポートする予定。地元メディアによると、長官らは演習場も視察したという。

ケニアのルト(William Ruto)大統領は先週、ハイチの平和を取り戻すと約束した。

ルト氏は先月、米国のバイデン(Joe Biden)大統領と会談した際にもハイチの問題に言及。米国の支援に謝意を示し、「国連と連携して作戦を遂行する」と強調した。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

PKOは今月末までに現地入りする予定であったが、ケニア警察が活動する基地建設の遅れや、装甲車を含む主要装備の調達が遅れ、1カ月延期された。

米国はこのミッションに3億ドルを拠出するとしている。

ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。

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