◎今年1~3月の間にギャング間抗争に巻き込まれて死亡した市民は2500人を超えた。
ハイチ、首都ポルトープランスの暴動(Getty Images/AFP通信)

ギャングの支配下に置かれる中米ハイチのアンリ(Ariel Henry)首相が25日、辞意を表明した。暫定評議会が首相を任命する時期は明らかになっていない。

首相府によると、アンリ氏は米ロサンゼルスのハイチ領事館に辞表を提出したという。

暫定評議会の発足を宣言する式典は首都ポルトープランスで24日に行われた。

アンリ氏の内閣は経産相を暫定首相に任命。暫定評議会が首相を選出すれば、アンリ内閣は解散することになる。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、空港、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

アンリ氏は2カ月前に訪問先の東アフリカ・ケニアでギャング暴力が激化したと報告を受けて以来、帰国できずにいる。

7つの政党と民間の2団体の代表が委員を務める暫定評議会は2週間前に発足。議決権を有するのは7党の代表のみである。

ポルトープランスの首相官邸に集まった暫定評議会の委員の1人は「あまりにも時間がかかり過ぎた」と記者団に語った。

式典には国家警察の長官と陸軍の総司令官も出席した。

別の委員は暫定評議会を「唯一の解決策」と呼び、これからの取り組みが成功することを信じていると述べた。

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