◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ハイチ、首都ポルトープランスの国際空港(ロイター通信)

ハイチ・ポルトープランスのトゥーサン・ルベルチュール国際空港が20日、ギャングの襲撃により閉鎖を余儀なくされて以来、約3カ月ぶりに運航を再開した。

ポルトープランスの港は閉鎖されたままであり、空港の再開は医薬品やその他基本的な物資の不足を緩和する手助けになると期待されている。

しかし、運航を再開したのは地元のサンライズ航空のみである。米航空各社は5月下旬から6月上旬に再開する見込みだ。

最初の便は米フロリダ州マイアミ行きであった。

この再開前、ハイチで稼働していた空港は第2の都市カパイシアンにある空港のみであった。

地元メディアによると、ポルトープランスからカパイシアンへ通じる道路はほぼ全てギャングの支配下にあるという。

ギャングは道路に検問所を設置し、バスや車に容赦なく発砲している。

その結果、米政府は数百人の自国民を避難・帰国させるためにヘリコプターを投入。丘陵地帯と空港を数十往復した。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの推定80%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。

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