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▽犯行声明を出したギャングは確認されていないが、首都ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」に疑惑の目が向けられている。
2021年11月2日/ハイチ、首都ポルトープランス郊外、ギャンググループ「G9&Family」のリーダー(Getty Images)

中米ハイチ・ポルトープランスの大部分を支配するギャングが地元ラジオ局の建屋に火を放った。

126年の歴史を持つラジオ・テレビジョン・カライブ(Radio Television Caraibes)は1年前、この建物を放棄した。

13日にソーシャルメディアで共有された動画には、カライブがかつて活動していた数階建ての建物が黒焦げになっている様子が映っていた。

地元紙ル・ヌーヴェリストはX(旧ツイッター)への投稿でギャングを非難し、カライブの機器や資料が失われたと嘆いた。

犯行声明を出したギャングは確認されていないが、首都ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」に疑惑の目が向けられている。

ヴィヴ・アンサムは治安部隊が今月、爆発物を満載したドローンで拠点を空爆して以来、攻撃をエスカレートさせている。

ヴィヴ・アンサムを率い、同国最大の武装ギャング「G9&Family」の指導者である元警察官の通称「バーベキュー」ことシェリジエ(Jimmy "Barbecue" Cherizier)はこの空爆で死亡したと噂されていた。

しかし、シェリジエはその後、治安部隊のドローン空爆に報復するとSNS動画で表明。ヴィヴ・アンサムはシェリジエが死亡したという噂を政府の「偽情報」と呼び、支配地域をさらに拡大すると主張した。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

首都ポルトープランスでは3年前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

この結果、100万人以上が住居を失い、その場しのぎの不衛生なテントやシェルターで避難生活を余儀なくされている。ギャング紛争が始まって以降、国を離れた市民は数十万人と推定され、一部は米国を目指している。

ハイチ国連支援ミッションには約800人のケニア国家警察を中心に、ジャマイカ、グアテマラ、エルサルバドルなどの兵士や警察官が参加している。

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