◎ハイチの治安は2021年のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ハイチ、首都ポルトープランス(Getty Images/AFP通信)

ハイチ当局は29日、反政府指導者フィリップ(Guy Philippe)氏を支持する団体や武装ギャングを取り締まると発表した。

中央政府はフィリップ氏を支持する組織や首都プルトープランスに拠点を置く団体などに対し、最寄りの警察所に出頭するよう要請した。

また政府は「一部の重武装した過激派が警察を攻撃している」と非難。「治安当局は武装テロリストを取り締まり、自治体もそれらの受け入れを禁じる」と述べた。

アンリ(Ariel Henry)首相は先週、地方自治体の管理下にあるこれらの団体を再編すると表明。国家警察以外の組織が武装することは違法であり、取り締まりの対象になると警告していた。

フィリップ氏はマネーロンダリング(資金洗浄)などに関与した罪で逮捕・起訴され、米国で9年間服役。先月出所し、ハイチに帰国した。

フィリップ氏を支持する団体と自治体職員は先週、北部地域で警察と銃撃戦を繰り広げ、アンリ氏の辞任を要求した。

この団体で働く兵士たちは元陸軍兵士や警察官などで構成されている。

多くの団体がフィリップ氏への支持を表明し、何度もデモを組織してきた。

フィリップ氏は先週、「市民生活を改善する革命を支持するが、クーデターは計画しておらず、国家警察を支持している」と表明した。

ハイチの治安は2021年のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

国連と地元の人権団体はこの争いで民間人数千人が死亡または行方不明となり、数十万人が国外に逃亡したと推定している。

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