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キューバ国会、経済改革法案を全会一致で可決、社会主義経済モデル見直しへ

改革は共産党と革命指導者ラウル・カストロ(Raul Castro)前第1書記の支持を受けており、実施されれば1959年のキューバ革命以来で最大規模の経済構造転換となる。
2026年3月17日/キューバ、首都ハバナの通り(AP通信)

キューバ国会は18日、国営中心の社会主義経済モデルを大幅に見直す包括的な経済改革法案を全会一致で可決した。改革は共産党と革命指導者ラウル・カストロ(Raul Castro)前第1書記の支持を受けており、実施されれば1959年のキューバ革命以来で最大規模の経済構造転換となる。深刻化する経済危機と米国による制裁強化に対応することが狙いだ。

可決された改革には、民間不動産開発の解禁、国有企業の株式会社化、民間銀行の設立容認、国有資産の売却拡大などが含まれる。これまで国家が独占してきた多くの経済分野に民間資本を導入し、国内外の投資を呼び込む方針だ。また、個人事業主による複数企業の経営や100人を超える従業員の雇用も認められる見通しで、民間部門の活動範囲は大きく広がる。デジタル外国為替市場の創設や企業破綻制度の導入も検討されている。

ディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領は議会演説で、「社会主義を放棄するものではない」と強調した。その一方で、従来の経済運営に限界があることを認め、生産性向上と投資拡大のためには大胆な改革が必要だと訴えた。さらに、市場メカニズムが資源配分の効率化に役立つとの認識を示し、国家主導と市場原理を組み合わせた新たな発展モデルを目指す考えを明らかにした。

改革の背景には、燃料不足や慢性的な停電、食料不足、インフレなどに苦しむ国内経済の現状がある。トランプ政権による制裁強化に加え、主要支援国ベネズエラからの石油供給遮断も打撃となり、キューバ経済は深刻な停滞に陥っている。国民生活は悪化し、若年層を中心とした国外流出も加速している。

トランプ政権は今年に入り、キューバ政府高官や軍関係者への追加制裁を発動し、石油供給網や海外送金にも圧力を強めてきた。米政府はキューバに対し政治・経済改革を求めているが、キューバ側はこうした措置を「経済封鎖」と非難している。共産党は今回の改革について、制裁下でも国家体制を維持しながら経済再建を図るための現実的な対応だと説明している。

一方で、改革の実効性を疑問視する声も少なくない。キューバでは過去にも市場原理の導入を伴う改革が打ち出されたものの、官僚機構の抵抗や制度整備の遅れによって十分な成果を上げられなかった経緯がある。今回の法案には170項目を超える改革案が盛り込まれているが、具体的な実施時期や運用方法は今後策定される見通しで、実際に経済成長や生活改善につながるかは不透明だ。

それでも今回の決定は、革命以来維持されてきた国家統制型経済からの大きな転換点として受け止められている。中国やベトナム型の「社会主義市場経済」を参考にしながら、キューバがどこまで市場開放を進められるのか、国内外の注目が集まっている。

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