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メキシコ南部で麻薬組織と自警団の戦闘激化、W杯で地方の警備が手薄に

攻撃は9日早朝に始まった。
2026年3月10日/メキシコ、南部ゲレロ州郊外、麻薬カルテルの暴力に備える自警団(AP通信)

FIFAワールドカップ北中米大会の熱狂に包まれるメキシコで、地方の農村が麻薬カルテルによるドローン攻撃に見舞われた。南部ゲレロ州郊外のグアヘス・デ・アヤラでは、住民が数週間前からカルテルの接近を州当局に繰り返し通報していたが、十分な対応は取られなかったという。住民たちは「大会開催都市の警備が優先され、地方は見捨てられた」と訴えている。

攻撃は9日早朝に始まった。麻薬組織ラ・ファミリア・ミチョアカーナが爆発物を搭載したドローンを飛ばし、自警団との間で激しい銃撃戦が発生した。AP通信の取材に応じた24歳の女性は、約70人の女性や子ども、高齢者とともに診療所へ避難し、爆発音が鳴り響く中で身を潜めた。女性は「人々がゴールに歓喜する一方で、私たちは爆弾を積んだドローンに殺されようとしている」と語り、政府の対応を批判した。

メキシコ政府はW杯開催を前に治安対策を強化し、首都メキシコシティやグアダラハラ、モンテレイなど開催都市に10万人規模の治安部隊を投入した。その結果、開催都市で大きなトラブルは発生しなかったものの、専門家は地方の警備が手薄になり、犯罪組織が勢力を拡大する余地を与えたと指摘する。実際、ゲレロ州以外でもシナロア州やベラクルス州、チアパス州で麻薬カルテルやギャングによる事件が相次いでいる。

住民は攻撃前から、カルテルのドローンや構成員の位置情報をSNSで公開し、当局に救援を求めていた。しかし支援は届かず、攻撃後も当局は「報道されているような爆弾攻撃は確認されていない」と説明している。その後、当局は現地に部隊を派遣し、状況確認と住民保護を進めると発表した。

ゲレロ州では長年にわたり複数の犯罪組織が勢力争いを続けており、住民は自衛のため民兵組織を結成している。こうした組織は監視用ドローンや重火器を保有し、カルテルに対抗してきたが、戦闘の激化によって多くの住民が避難を余儀なくされている。

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