パキスタン42人死亡襲撃、シャリフ首相が武装勢力への報復宣言
一連の襲撃は7日以降、州内各地で相次いだ。
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パキスタンのシャリフ(Shehbaz Sharif)首相は9日、南西部バルチスタン州を訪問し、今週発生した武装勢力による襲撃事件で治安要員42人が死亡したことを受け、「テロとの戦いを最後まで続ける」と述べ、軍による掃討作戦を一層強化すると表明した。死亡した42人の大半は警察官や兵士など治安要員で、近年の同州における武装勢力の活動拡大を印象付ける事態となった。
一連の襲撃は7日以降、州内各地で相次いだ。最も被害が大きかったのはジアラト地区の警察施設への襲撃で、武装兵が施設を急襲し、警察官9人を殺害したうえ、18人を拉致し、その後殺害した。さらに別の地域では軍車列が待ち伏せ攻撃を受け、兵士11人が死亡したほか、州都クエッタ近郊では民間人を狙った襲撃で4人が命を落とした。
これに対し、国軍は州内で大規模な掃討作戦を展開し、少なくとも54人の武装勢力を殺害したと明らかにした。軍報道官は8日の記者会見で「どこまでもテロリストを追いかけ、打撃を与える」と述べ、作戦を継続する考えを強調した。
シャリフ氏は州都クエッタで開かれた会議に出席し、犠牲者の遺族と面会して哀悼の意を表した。その上で、分離独立を掲げる反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」による一連の襲撃を非難し、同組織が国外から武器や資金援助を受けていると主張した。また、隣国アフガニスタンが越境攻撃の拠点として利用されているとも指摘したが、インド、アフガン両国はこれまで関与を否定している。
バルチスタン州はパキスタン最大の面積を持つ一方、人口は少なく、天然ガスや鉱物資源に恵まれている。しかし、資源開発の利益が地元住民に十分還元されていないとの不満から、長年にわたり分離独立を求める武装勢力による反政府活動が続いてきた。
近年は中国・パキスタン経済回廊(CPEC)の関連施設や治安部隊への攻撃も増加しており、治安情勢は一段と悪化している。今回の連続襲撃は武装勢力の攻撃能力が依然として高いことを示すとともに、政府の治安対策の実効性が問われる形となった。
