エルサルバドル、犯罪組織MS-13の集団裁判結審、殺人・拷問・人身売買など
被告たちは2012年から2022年にかけて444件の殺人を含む計1万4420件の犯罪に関与したとされる。
の構成員たち(AP通信).jpg)
中米エルサルバドルで15日、犯罪組織「MS-13(マラ・サルバトルチャ)」の構成員485人を対象とする集団裁判が結審した。検察は最終弁論で、殺人やライバル組織構成員の処刑、拷問、レイプ、恐喝、麻薬取引、武器密売、人身売買などの罪について被告全員に対する最大限の刑罰を求めた。
検察によると、被告たちは2012年から2022年にかけて444件の殺人を含む計1万4420件の犯罪に関与したとされる。また、約1200人の子どもを犯罪活動に利用し、638人の女性を搾取したほか、国内外で32の犯罪組織を運営していたという。
裁判では幹部が殺人などを指示したとされる通話の録音も証拠として提出された。検察は一部の被告に終身刑を含む重い刑罰を科すよう求めるとともに、総額900万ドルの事賠償も請求している。
審理は約3か月にわたって行われ、被告たちはブケレ政権が建設した巨大刑務所「テロリスト監禁センター(CECOT)」からオンラインで出廷した。同施設は面会やレクリエーション、教育活動が認められておらず、厳格な収容環境で知られる。判決の言い渡し時期は明らかになっていない。
今回の裁判は2022年3月に導入された非常事態宣言の下で進められた。同宣言では憲法上の権利が一部停止され、容疑者の一斉拘束などが可能となった。さらに2023年の刑法改正により、同じ犯罪組織や活動地域に属する被告を一括して裁く集団裁判が認められた。政府はこれまでに9万2000人以上をギャング関係者として収監したとしている。
一方で、人権団体はこうした手法に強い懸念を示している。弁護権や適正手続きが十分に保障されていないと批判し、恣意的な拘束や人権侵害に関する苦情を6000件以上受理したほか、拘束中に少なくとも547人が死亡したと報告している。政府は約8000人を釈放したと説明するが、人権団体は依然として司法手続きの透明性や被告の権利保護に課題が残ると指摘している。
それでも、長年ギャング犯罪に苦しんできた国民の間では治安改善を評価する声が多く、ブケレ政権の強硬な治安政策は高い支持を維持している。今回の裁判は昨年11月にギャング組織「バリオ18(18th Street Gang)」の構成員45人が有罪判決を受けた事例に続く、同国で2件目となる集団裁判となった。
