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サッカーの祝賀発言が波紋、ハイチとドミニカ共和国の亀裂深まる

ハイチサッカー連盟はイシドール選手の発言を、祖国への愛着を示したものだと擁護し、敵意や他国への侮辱を意味するものではないと説明した。
中米ドミニカ共和国のハイチ国境近く、ハイチから逃れた難民(Getty Images/AFP通信)

ハイチとドミニカ共和国のサッカーの試合後に飛び出した選手の発言が、両国間に長く存在する人種、政治、経済上の緊張を再燃させている。

ハイチ代表は10月1日、ドミニカの首都サントドミンゴで行われたCONCACAFネーションズリーグの試合で4―1と快勝した。2得点を挙げたFWウィルソン・イシドール(Wilson Isidor)は試合後、「イスパニョーラはハイチだ。ここはハイチだ」と発言し、これがソーシャルメディア上で急速に拡散した。イスパニョーラ島はハイチとドミニカ共和国が分け合う島である。

発言を受け、ドミニカ政府はハイチ代表が今後、同国で試合を行うことを認めない方針を表明した。政府はイシドール選手の発言には直接言及せず、試合当日にハイチ人サポーターがスタジアムの設備を破壊したと非難した。一方、現場ではハイチ人観客が入場する際、ドミニカ当局が催涙スプレーを使用したとの報告もある。

ドミニカ・サッカー連盟は10月3日、試合中に起きた出来事についてCONCACAFに正式な申し立てを行った。CONCACAFも懲戒手続きを開始し、試合をめぐる一連の問題を規則に基づいて調査する方針を示している。

今回の騒動が深刻化した背景には、両国の複雑な歴史がある。試合は1937年に当時の独裁者ラファエル・トルヒーヨ(Rafael Leónidas Trujillo Molina)が国境地帯のハイチ人を虐殺した「パセリ虐殺」の89周年の前日に行われた。ハイチ系移民をめぐっては、ドミニカによる拘束や国外追放、無国籍化などへの批判も続いている。

ハイチサッカー連盟はイシドール選手の発言を、祖国への愛着を示したものだと擁護し、敵意や他国への侮辱を意味するものではないと説明した。ただ、一部の専門家は隣国への敬意が必要だとして発言の撤回を求めている。

一方、ハイチ代表は今回の勝利でリーグAを9ポイントで終え、得失点差によってドミニカを上回り、準々決勝進出を決めた。ハイチ国内では、治安悪化によって首都ポルトープランスの主要スタジアムや練習施設がギャングの支配下に置かれ、代表チームが国内で試合を開催できない状態となっている。

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