SHARE:

キューバと米国、通信チャンネル維持も正式交渉なし、トランプ政権の圧力強まる中で溝深く

両国は会合や電話、WhatsAppによるメッセージのやり取りを続けているものの、交渉項目の設定や公式協議の再開には進展がないという。
2025年1月15日/キューバ、首都ハバナの在米国大使館(Getty Images/AFP通信)

キューバと米国が外交上の「通信チャンネル」を維持している一方、正式な交渉には入っていないことが分かった。ワシントンDCの在キューバ大使館で臨時代理大使を務めるリベラ(Janice Torres Rivera)氏が明らかにした。

両国は会合や電話、WhatsAppによるメッセージのやり取りを続けているものの、交渉項目の設定や公式協議の再開には進展がないという。

リベラ氏によると、キューバは「尊重に基づく」対話を望む一方、トランプ(Donald Trump)米大統領による圧力や軍事行動への警告を警戒している。米国による軍事行動の可能性に備え、キューバは防衛態勢の強化を進めている。

両国の認識には大きな隔たりがある。トランプ氏は9月の国連総会で、ルビオ(Maro Rubio)国務長官がキューバと「交渉している」と主張していた。しかしキューバ側は、現在行われている接触を正式な交渉と位置付けていない。

米国務省はロイター通信の取材に対し、「交渉を継続中」との立場を示し、キューバ政府が米国との協議について「プロパガンダ」を流していると批判した。

トランプ政権はキューバ政府の体制を根本的に変えることを目標に掲げ、経済的圧力を強めている。米国による石油封鎖の影響で燃料不足や停電が常態化し、インフラの老朽化も危機を悪化させている。国連の人権専門家は米国の石油封鎖を国際法違反と指摘している。

キューバ側が譲歩を拒む最大の争点は政治体制だ。リベラ氏は米国がキューバ指導部の退陣を求めることは主権への侵害に当たり、政治体制の変更は交渉できない「レッドライン」だと強調した。一方、米国はキューバに自由で公正な選挙などを求めており、双方の立場には大きな隔たりがある。

キューバのロドリゲス(Bruno Rodríguez Parrilla)外相は9月、米国との交渉は行われておらず、具体的な交渉計画もないと表明していた。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ