◎最初の患者は今年4月に東部マニカランド州で報告され、その後各地に広がった。
麻疹の予防接種(Getty Images)

ジンバブエの保健当局は17日、多くの地域で麻疹(はしか)が流行し、この数カ月でワクチンを接種していない子供少なくとも157人が死亡したと報告した。

政府報道官によると、最初の患者は今年4月に東部マニカランド州で報告され、その後各地に広がったという。

これまでに感染を確認した患者は2000人を超え、亡くなった157人の大半が宗教的な理由でワクチンを接種していない子供だった。

地元メディアによると、政府は感染拡大を抑えるために災害対策で用いる非常事態法を発動。生後6カ月~15歳の子供を対象とするワクチン接種キャンペーンを開始した。

この接種キャンペーンには地方の宗教指導者や酋長なども参加している。

ジンバブエはコロナウイルスが大流行した時期にも麻疹のワクチン接種を続けていたが、一部の宗教団体に阻まれ、思うように進んでいなかった。この団体は現代医学を否定し、会員に予言者の言葉を信じるよう説いている。

政府報道官は先週の声明で、「宗教団体の集会が麻疹の感染拡大に拍車をかけた」と述べた。

麻疹は世界で最も感染力の強い感染症のひとつで、感染者の咳やくしゃみで拡散する。

症状は咳、発熱、皮膚の発疹など。ワクチン未接種の子供は重症化しやすく、合併症で死亡することも少なくない。

専門家によると、「ワクチン未接種者の多い食料が不足している貧しい地域」で麻疹が流行すると、わずかな期間で死者が激増する可能性があるという。

麻疹の流行を防ぐためには人口の90%以上が予防接種を受ける必要があると推定されている。

世界保健機関(WHO)は今年4月、コロナウイルスの感染拡大で麻疹のワクチン接種が阻害され、脆弱な国々で感染者が増加する可能性があると警告した。

ユニセフも先月、世界の子供約2500万人が麻疹を含む一般的な小児疾患の予防接種を受けられなかったと報告し、子供の健康が脅かされていると警告した。

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