SHARE:

ムナンガグワ大統領(83歳)の任期を延長する憲法改正案、政府が国会に提出

政府は6月末までに議会での審議を終えたい考えを示している。
2023年6月21日/ジンバブエ、首都ハラレ、ムナンガグワ大統領(中央)(AP通信)

アフリカ南部・ジンバブエ政府は2日、ムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa、83歳)大統領の任期延長を可能にする憲法改正案を議会に提出した。法案は2028年に予定されている大統領選挙を2年間延期するとともに、大統領の任期を現行の5年から7年へ延長する内容を含んでおり、ムナンガグワ氏が2030年まで政権を維持する可能性が高まっている。

政府は6月末までに議会での審議を終えたい考えを示している。改正案には大統領だけでなく、国会議員や地方議員、市長らの任期も5年から7年へ延長する条項も盛り込まれている。また、大統領選挙の仕組みを大きく変更し、国民による直接選挙ではなく、議会による選出へ移行することも提案されている。

ムナンガグワ氏は2017年、独裁者ムガベ(Robert Mugabe)前大統領の失脚後に政権を掌握した。その後、2018年と2023年の選挙で当選し、現在2期目を務めている。現行憲法では大統領は2期までと定められており、同氏は2028年に退任する予定だった。しかし今回の改正案が成立すれば、任期満了時期が2030年にと変更されることになる。

与党ZANU-PF(ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線)は憲法改正に必要な議席数を確保している。このため政治アナリストの間では、法案が可決される可能性は高いとみられている。一方で、野党勢力や市民団体、さらには一部の退役軍人らは改正案に強く反発している。彼らは大統領任期の延長や選挙制度の変更は国民投票を経るべき重大な案件であり、議会だけで決定することは民主主義の後退につながると非難してきた。

反対派は憲法裁判所に提訴し、法案の合憲性を巡る法廷闘争も続いている。支持者側は憲法上の「2期制」そのものは維持されるため問題はないと説明しているが、反対派は事実上の権力延命策だと非難する。近年のアフリカでは憲法改正によって大統領の在任期間を延ばす事例が相次ぎ、ジンバブエの動向に国際社会の関心が集まっている。

経済停滞やハイパーインフレ、政治的自由を巡る問題を抱えるジンバブエにとって、今回の憲法改正論議は単なる制度変更にとどまらない。民主主義のあり方や権力継承のルールを問う重要な政治課題として、国内外から厳しい視線が注がれている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします