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メキシコ北部でスクリューワームハエ症確認、米国境から約40キロ、警戒感強まる

感染が確認されたのは北部コアウイラ州の5歳のヤギで、国境から約40キロの地点で発見された。
ハエの幼虫(Getty Images)

家畜や野生動物の肉を食い荒らす寄生虫「スクリューワーム(新世界ラセンウジバエ)」の感染事例が、米国国境から約40キロに位置するメキシコ北部で確認され、米国の畜産業界に警戒感が広がっている。米農務省(USDA)のロリンズ(Brooke Rollins)長官は2日、記者団に対し、今回確認された事例は現在の流行で最も米国境に近いケースだと明らかにした。

感染が確認されたのは北部コアウイラ州の5歳のヤギで、国境から約40キロの地点で発見された。農務省は数日前にも同州でスクリューワームに感染した羊を確認しており、寄生虫が着実に北上しているとの懸念が強まっている。米国の牧場経営者や牛肉業界は1年以上前から状況を注視してきたが、国境への接近によって危機感が一段と高まった。

スクリューワームはハエの一種で、雌が牛や馬、羊、ヤギなど温血動物の傷口に産卵する。孵化した幼虫は生きた組織に潜り込みながら成長し、傷口を拡大させる。適切な治療が行われなければ宿主を死に至らしめることもある危険な寄生虫として知られている。かつて米国では大規模な防除作戦によって根絶されたが、中米からメキシコへと感染域が拡大したことで再侵入の懸念が高まっている。

専門家はこの寄生虫が米国内に侵入した場合、畜産業に深刻な打撃を与える可能性があると指摘する。農務省の推計では、最大の牛肉生産州である南部テキサス州だけでも約18億ドルの経済損失が発生する恐れがある。感染による家畜の大量死や治療費、人件費の増加に加え、牛の供給減少によって牛肉価格が上昇する可能性もある。米国の牛飼養頭数は75年ぶりの低水準にあり、牛肉価格は過去最高圏で推移している。

米政府は対策として、1年以上にわたりメキシコ産牛の輸入制限を続けているほか、不妊化したハエを大量に放出して繁殖を抑える防除計画を進めている。農務省は新たな不妊虫生産施設の整備にも数百万ドル規模の投資を行っているが、本格稼働にはなお時間を要する見通しだ。

今回の感染確認は国境防疫の重要性を改めて浮き彫りにした。米当局はメキシコ政府との連携を強化しながら監視体制を拡充しているが、寄生虫の北上を完全に食い止められるかどうかは不透明であり、米国の畜産業界は神経をとがらせている。

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