◎エスワティニ(旧スワジランド)は南アフリカおよびモザンビークと国境を接する人口約100万人の内陸国。
エスワティニ王国、君主制廃止を求めるデモ(Getty Images)

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は23日、エスワティニ王国で民主化運動を推進した活動家が殺害されたことを非難し、独立した捜査を行うよう求めた。

UNHCRのトゥルク(Volker Türk)高等弁務官は声明で、「人権弁護士のマセコ(Thulani Maseko)氏は21日に自宅で何者かに射殺された」と述べている。

マセコ氏は複数政党制への移行と民主主義を求める人権活動家のひとりで、2014年に司法の独立が損なわれていると批判したことで投獄された。

国連によると、マセコ氏は控訴審で無罪となり、2015年に釈放されたという。

エスワティニ(旧スワジランド)は南アフリカおよびモザンビークと国境を接する人口約100万人の内陸国。アフリカ最後の君主制国家で、1986年以来、ムスワティ3世(Mswati III)が国を統治している。

2年前に行われた民主化デモは数万人規模に発展。治安当局はこれを厳しく取り締まった。欧米諸国はムスワティ3世が反対派を弾圧したと非難している。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルも23日、マセコ氏が2021年のデモに関連する裁判を担当したため殺害されたという見方を示し、適切な捜査を求めた。マセコ氏は自宅内にいたところを狙撃された。

UNHCRによると、マセコ氏と2人の弁護士は2021年のデモで逮捕・起訴された市民の弁護士を務めていたという。

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