スーダン内戦、国連が警告「新たな大量虐殺が迫っている」
エルオベイドの人口は約50万人、北コルドファン州最大の都市で、首都ハルツームと西部ダルフール地方を結ぶ交通・軍事上の重要拠点である。
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国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のターク(Volker Turk)高等弁務官は3日、ジュネーブで開かれた国連人権理事会の緊急会合で、スーダン中部・北コルドファン州の主要都市エルオベイドとその周辺地域について、「残虐行為が差し迫っていることを示す重大警報(レッドアラート)」が発せられていると警告した。国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘が激化する中、国際社会に対し、市民の保護と戦闘終結に向けた一層の取り組みを求めた。
エルオベイドの人口は約50万人、北コルドファン州最大の都市で、首都ハルツームと西部ダルフール地方を結ぶ交通・軍事上の重要拠点である。2023年4月に始まった内戦では長期間にわたり包囲状態が続いたが、2025年に軍政が包囲を一時打開した。しかし、その後もRSFは周辺地域への部隊増派を進め、都市を再び孤立させようとする動きを強めており、市民への被害拡大が懸念されている。
ターク氏はエルオベイドの現状について、18か月以上に及ぶ戦闘で市民が深刻な食料・飲料水の不足に直面し、無人機による攻撃や砲撃によって民間施設も被害を受けていると指摘した。また、拉致や即決処刑、拷問、レイプなどの人権侵害が常態化していると述べ、「大量虐殺を許してはならない」と強調した。
スーダン内戦では国軍とRSFの双方に国際人道法違反が指摘されているが、特にRSFは西部ダルフール地方エルファーシルで多数の民間人を殺害した疑いが持たれており、国際社会は同様の事態がエルオベイドでも繰り返されることを警戒している。国連人権理事会には欧州諸国などが提出した決議案が示され、RSFによる攻撃を非難するとともに、難民支援の強化や外国勢力による武器供与の停止などを求めている。
スーダンでは2023年4月の内戦勃発以来、少なくとも5万9000人が死亡し、1300万人余りが避難を余儀なくされた。人口の多くが深刻な食料不足に直面し、各地で飢饉の危険も高まっている。国連はエルオベイドへの本格的な攻撃が始まれば新たな大量避難民の発生は避けられず、人道危機がさらに深刻化すると警告している。国際社会の迅速な対応が求められている。
