ヨルダン川西岸、ユダヤ人入植者がパレスチナ人の住宅占拠、入植地拡大続く
国連の調査では、2023年以降、ヨルダン川西岸における入植者によるパレスチナ人の村や農地への襲撃は約130%増加したとされる。
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イスラエル占領下のパレスチナ・ヨルダン川西岸地区にある集落で、建設中の住宅がユダヤ人入植者に占拠される事件が発生した。現地メディアが3日に報じた。住宅は婚約した息子夫婦のために建設が進められていたもので、所有者のパレスチナ人男性は「家族の夢が奪われた」と訴えている。一方、イスラエル当局は現時点で占拠への対応を示しておらず、地域住民の間ではさらなる土地の接収につながるとの懸念が広がっている。
住宅を建設していたのはこの集落に住むパレスチナ人で、婚約した息子の新居として完成を目指していた。しかし今月初め、複数のユダヤ人入植者が敷地に入り込み、建物を占拠した。ロイター通信によると、入植者が屋上に居座り、家族は近づくことも難しい状況に置かれているという。男性はロイターの取材に対し、「長年働いて築いた財産が一瞬で失われた」と語った。
この集落は複数のユダヤ人入植地や非公認の前哨基地に囲まれた村で、住民は以前から農地への立ち入り制限や放火、器物損壊などの被害を訴えてきた。村長によると、今回の住宅占拠は近年相次ぐ被害の一例に過ぎず、農地や住宅への圧力は年々強まっているという。住民の間では、一つの住宅が占拠されることで周辺地域にも入植地が拡大し、自分たちの生活基盤がさらに失われるのではないかとの危機感が高まっている。
国連の調査では、2023年以降、ヨルダン川西岸における入植者によるパレスチナ人の村や農地への襲撃は約130%増加したとされる。農地の破壊や放火、住民への暴行、土地の占拠などが相次ぎ、人権団体は治安悪化と住民の強制移住につながる恐れがあると警鐘を鳴らしている。
ヨルダン川西岸には約50万人のユダヤ人入植者と約300万人のパレスチナ人が暮らしている。国際社会の大半は入植地を国際法違反とみなしているが、イスラエル政府はこれに異議を唱えてきた。近年は入植を支持する極右勢力が政権内で影響力を強め、入植地の拡大や土地利用を後押しする政策も進められている。今回の住宅占拠は一家の住まいを巡る問題にとどまらず、ヨルダン川西岸で続く土地を巡る対立と緊張を象徴する出来事として注目を集めている。
