◎エボラウイルスはコンゴ民主共和国(旧ザイール)で1976年に初めて確認され、急速に拡大。これまでに約1万5000人が死亡している。
2022年9月24日/ウガンダ、中部ムベンデ県、国境なき医師団の職員(Badru Katumba/AFP通信/Getty Images)

ウガンダの保健当局は25日、エボラウイルスの感染者が16人に達したと報告した。

エボラウイルスはリスクグループ4に該当するウイルスのひとつで、治療開始が遅れると致死率は90%に達する。感染者の血液、臓器、体液に直接触れることで感染する。

政府は先週、中部ムベンデ県で男性1人がエボラ出血熱で死亡したと発表。2019年以来の死者を報告した。

今回の感染拡大による死者は4人。保健省によると、さらに18人が感染疑いで医療機関に入院しているという。

エボラウイルスは現在、中央部の3地域で拡大している。

保健省は声明の中で、「医療チームは感染者と接触した可能性がある個人を追跡している」と報告した。

今回の流行はムベンデ県郊外の小さな村で9月初旬頃から始まったと考えられている。ムベンデ県は首都カンパラの西150kmに位置する。

先週初めに死亡した1人目の犠牲者(24歳男性)のサンプルを調査した結果、スーダン株であることが確認された。専門家はスーダン株を「比較的まれな株」と説明している。この株がウガンダで確認されたのは4回目。スーダンでは3回発生している。

保健省によると、ムベンデ県への立ち入りは制限され、県内での集会やイベントはすべて禁じられたという。

ウガンダは3年前にエボラ・ザイール株の感染拡大を経験した。

エボラウイルスはコンゴ民主共和国(旧ザイール)で1976年に初めて確認され、急速に拡大。これまでに約1万5000人が死亡している。

専門家によると、都市部で一度拡大すると、サル痘のように急激に広がる可能性があるという。

感染しても症状が出るまで体調に大きな変化はみられない。潜伏期間は2日~21日とかなりの開きがある。

エボラ出血熱を予防・治療するワクチンはないが、さまざまな薬剤が開発されており、コンゴなどで数千人が治療を受けている。

WHOによると、エボラ・スーダン株は2018年から2020年にかけてコンゴで流行したエボラ・ザイール株よりも感染力が弱く、致死率も低い傾向にあるという。

2013年から2016年にかけて西アフリカで発生した感染拡大では1万1000人以上が死亡している。

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