◎チュニジアの経済は2011年のジャスミン革命で民主主義を確立して以来、停滞している。
2023年1月29日/チュニジア、首都チュニスの投票所(Getty Images)

チュニジアのサイード(Kais Saied)大統領は31日、週末に行われた議会選第2ラウンドの投票率が10%を下回ったことについて、「有権者は議会が役立たずであることを理解している」と主張した。

先月行われた第1回投票の投票率は過去最低を大幅に更新する8.8%にとどまった。

野党連合は選挙をボイコットし、サイード氏に引退を勧告している。

地元メディアは有権者の9割が棄権したことについて、「無関心、絶望、諦めがチュニジアを支配している」と報じた。

サイード氏は2021年7月末に当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖し、権力を手中に収めた。

野党と活動家はサイード氏の強硬措置をクーデターと非難し、各地で抗議デモを続けている。議会は昨年3月に解体された。

地元メディアによると、第2ラウンドの投票率は確定していないものの、10%を下回ることは確実だという。

サイード氏は国営テレビのインタビューで、「残念ながら、有権者は私と一緒で、議会が役に立たないことを認識している」と主張した。「有権者は議会に期待していないのです...」

専門家によると、有権者はサイード氏を含む議会の「不作為」がインフレや物資不足による経済危機を招き、「誰に投票しても同じ」という絶望感と諦めが投票率を押し下げた可能性が高いという。

野党連合は昨年9月に議会選ボイコットを表明し、「選挙管理委員会はサイード氏の支配下に置かれている」と指摘した。

しかし、一部の有権者は汚職を撲滅し、不正を取り締まると約束したサイード氏の統治を支持しているように見える。

チュニジアの経済は2011年のジャスミン革命で民主主義を確立して以来、停滞している。専門家によると、連邦・地方議会は汚職を防止する取り組みを進めているが、ほとんど機能していないという。

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