◎マルズーキ氏は独裁者であるベンアリ元大統領が追放された後、2011~14年まで大統領を務めた。
チュニジア、首都チュニス、サイード大統領の統治に抗議するデモ(Getty Images/AFP通信)

チュニジアの裁判所は24日、サイード(Kais Saied)大統領の統治に反対するマルズーキ(Moncef Marzouki、仏パリ在住)前大統領に懲役8年の実刑判決を言い渡した。

マルズーキ氏は2021年の抗議デモで暴力や国家転覆を煽ったとして起訴されていた。

国営テレビによると、首都チュニスの裁判所は検察の主張を認めたという。

マルズーキ氏の弁護団はAP通信の取材に対し、「この判決はサイード独裁政権による、反対派への弾圧のひとつである」と語った。

マルズーキ氏の弁護団は一度も裁判に出席していない。

マルズーキ氏は独裁者であるベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)元大統領が追放された後、2011~14年まで大統領を務めた。

マルズーキ氏の後任であるサイード氏は2021年7月末に当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖、権力を手中に収めた。

野党はサイード氏の強硬措置をクーデターと非難し、各地で小規模な抗議デモを続けている。議会は2022年3月に解体され、同年12月に議会選が行われたものの、投票率は10%に届かなかった。

裁判所はマルズーキ氏の発言を「国家反逆罪に相当するもの」と指摘。「国家転覆を狙った攻撃であり、支持者に武器を取るよう促し、殺人や強盗を推奨したに等しい」と主張した。

マルズーキ氏を含む多くの野党指導者や議員がサイード氏を「独裁者」と呼び、西側諸国に支援を要請している。

マルズーキ氏がデモ関連の発言で実刑判決を受けたのはこの3年で2回目。2021年12月に懲役4年を言い渡されている。

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