◎アフリカ北部のチュニジアとリビアには多くの亡命希望者が押し寄せている。
チュニジア沖、亡命希望者たち(Getty Images/PAメディア)

チュニジア当局は21日、イタリアを目指していたとみられる亡命希望者800人以上を19日夜に拘束したと発表した。

沿岸警備隊はフェイスブックに投稿した声明で、「19日午後に北部、中部、南部で37の取り締まりを実施した結果、サハラ砂漠以南のアフリカ人473人を含む813人の移民を拘束した」と述べている。

また警備隊は人身売買組織の構成員とされる6人を含む少なくとも48人を逮捕したと報告した。

内務省は21日、ウェブサイトに声明を投稿し、「ここ数日で外国人の密入国者1300人以上を拘束した」と発表した。

アフリカ北部のチュニジアとリビアには多くの亡命希望者が押し寄せている。人々は頼りないゴムボートやボロボロの船に乗り、イタリアのシチリア島などを目指すのだ。

チュニジアに拠点を置く人権団体によると、今年1月から9月の間にチュニジア沖で拘束された移民は2万3500人を超えたという。また同期間に海上で死亡または行方不明になった移民は507人と報告している。

イタリア内務省によると、今年保護したチュニジア人移民は1万5000人を超えた。沿岸警備隊は沿岸から100km以上離れた海域で何度も救助活動を行っている。

チュニジアは深刻な政治・経済危機に直面しており、国連によると、人口約1200万人のうち400万人が貧困層だという。沿岸警備隊と警察の予算は枯渇し、移民の捜索・救助に苦慮しているようだ。

欧州国境沿岸警備機関(Frontex)によると、今年1月~8月の間に地中海ルートを使った移民は確認できているだけで5万2000人に達した。その多くがチュニジア人、エジプト人、バングラデシュ人で、アフガンやシリア人も確認されている。

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