◎エチオピア軍とTPLFによる紛争は2020年11月に本格化し、民間人数万~数十万人が死亡、数百万人が国内避難民となり、数万人が近隣諸国に逃亡したと推定されている。
エチオピア、北部ティグライ州、ティグレ人民解放戦線の戦闘員(Getty Images)

エチオピア当局は11日、北部ティグライ州を実行支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)が重火器の引き渡しを開始したと発表した。

昨年11月2日に政府とTPLFが結んだ和平協定は▽TPLFの武装解除▽ティグライ州における連邦政府の権限回復▽ティグライ州への人道支援輸送の再開などを求めている。

エチオピア軍とTPLFによる紛争は2020年11月に本格化し、民間人数万~数十万人が死亡、数百万人が国内避難民となり、数万人が近隣諸国に逃亡したと推定されている。

TPLFは昨年11月12日にケニアで締結した協定に基づき、重火器の引き渡しを開始したようだ。政府はティグライ州に展開された「外国軍」と民兵の撤退を保証している。

欧米諸国はエリトリアがこの紛争でエチオピア軍を支援し、民間人を虐殺したと告発している。

海外メディアはティグライ州への立ち入りを禁じられているため、現地の状況を確認することは不可能である。

ティグライ州で活動する援助関係者はAFP通信の取材に対し、「州内でエリトリア軍とアムハラ州の武装勢力を見た」と語った。

和平合意以降、人道支援活動は強化されているが、現地に届けられる食料や医療支援の量はニーズをはるかに下回っているようだ。

国連はこの地域の市民推定500万~600万人が緊急の人道支援を必要としていると警告している。

一方、インフラの復興は順調に進んでいるとみられる。

国営電力会社は昨年末、ティグライ州の4つの街につながっていた送電線の復旧作業が完了し、1年半ぶりに電力供給を再開したと発表した。

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