◎この内戦はロシアによるウクライナ侵攻とガザ紛争の影に隠れてしまい、国際社会の支援を集めるのが困難になっている。
2023年6月19日/スーダン、首都ハルツーム郊外、避難民ら(AP通信)

アフリカ北東部・スーダンの内戦における国内避難民の数が1000万人を超えた。国際移住機関 (IOM)が10日、明らかにした。

それによると、200万人以上が国外に逃亡し、そのほとんどがチャド、南スーダン、エジプトの難民キャンプで生活している。

IOMのポープ(Amy Pope)事務局長はAP通信の取材に対し、「1000万人以上が国内の避難所に身を寄せ、国際社会の支援を待っていることを想像してほしい」と語った。

またポープ氏は「内戦が飢饉、残忍な民族間暴力、ジェンダーに基づく暴力などに拍車をかけ、市民を崖っぷちに追い込んでいる」と述べた。

軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の3割にあたる約1800万人が飢餓に直面し、1万4000人以上が死亡したと推定されている。

国連によると、この内戦はロシアによるウクライナ侵攻とガザ紛争の影に隠れてしまい、国際社会の支援を集めるのが困難になっている。

IOMは先月、西部ダルフール地方やその他地域への人道支援を拡充しなければ、「壊滅的なレベルの大飢饉に発展するリスクが高まっている」と警告した。

バチカンのフランシスコ(Pope Francis)教皇もスーダン内戦に深刻な懸念を示し、「IOMが求めている資金の5分の1しか集まっておらず、数百万人を飢えから救うためには、国際社会の強力な支援が必要不可欠である」と訴えた。

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