◎1年以上前から抗議デモを率いている草の根運動の指導者たちは協定に反対し、交渉を拒否し続けてきた。
2022年12月5日/スーダン、首都ハルツーム、軍と民主化勢力の協定調印式(Marwan/AP通信)

スーダンの軍事政権と民主化勢力は5日、民主的な選挙で指導者を選出する新たな協定に署名した。

この協定は暫定政府の発足とその後の民主的な選挙を確約しているが、軍指導部は首相が任命する安全保障関連機関で一定の権力を保持すると予想されている。

主要な反政権派は協定を非難し、「文民統制が確約されない限り、軍との交渉には応じない」としている。

スーダンは2019年4月の無血クーデターで独裁者のオマル・バシル (Omar al-Bashir)を追放。和平協定を結び民主化への道を歩み始めていたが、昨年10月の軍事クーデターで民主化計画は頓挫し、機能不全に陥った。

報道によると、首都ハルツームで行われた調印式には軍事政権を率いるブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)将軍や国内最大の民主化勢力である「自由・変革同盟」の指導者などが出席したという。

しかし、1年以上前から抗議デモを率いている草の根運動の指導者たちは協定に反対し、交渉を拒否し続けてきた。

協定の草案によると、軍指導部は政治に関与しないことを確約したという。

協定に署名した指導者は暫定首相を選出し、24カ月以内に選挙を行って新政権を発足させるとしている。

今回の合意は今年9月にスーダンの弁護士会が提案した憲法草案に基づいている。司法制度や軍改革などの難題については、暫定政府に委ねられることとなった。

また、軍は首相が任命する安全保障関連機関で一定の権力を保持する見通しだ。軍事政権は軍を統一し、その傘下の民兵組織なども政府の管理下に置くことに合意している。

さらに、協定は軍事評議会のダガロ(Mohamed Hamdan Dagalo)副議長率いる準軍組織の扱いについても言及している。この組織は近年、スーダンの金融機関を牛耳り、富を築いてきた。

しかし、これらの改革がいつどのように行われるかは不明であり、詳細にも言及していない。

2022年1月4日/スーダン、首都ハルツームの抗議デモ(Getty Images/AFP通信/PAメディア)
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