◎国連は2017年、南スーダンの一部地域で飢饉を宣言した。
南スーダンの難民キャンプ(Getty Images)

南スーダンで活動する国際NGOは5日、同国南東部で飢饉のような状況が続いており、食料と水不足により少なくとも13人が死亡したと発表した。

ユニセフなどで構成される援助団体によると、東赤道州の少数民族数百人が飢餓に直面しているという。

東赤道州の市民の多くが野生の果実を採って生活している。この地域に持続可能な水源はなく、人々は主にボーリング孔から水をくみ上げている。

ユニセフによると、新たなボーリング孔から水をくみ上げる試みは軒並み失敗しているという。

南スーダンは2011年にスーダンから独立。それから2年後、キール(Salva Kiir)大統領に忠実な組織がマシャール(Riek Machar)副大統領の組織に攻撃を仕掛け、内戦状態に陥った。

内戦は2018年の和平合意で終結。犠牲者は数十万人と推定されている。

他のNGOも東赤道州の一部地域で「心配な状況」が続いていると警告している。

AP通信は関係者の話として、「東赤道州中心部から75kmほどの位置にある難民キャンプの人道状況が悪化しており、5千人以上が危機に瀕している」と報じた。

それによると、この難民キャンプを含む地域はこの3年、食料・水不足に苦しみ、最近、老人10人と子供3人が餓死したという。

ユニセフの取材に応じた東赤道州の女性は「野生の食べられる果実がほとんど採れなくなり、どうやって生きていけばいいか分からない」と語った。

ユニセフによると、この地域の干ばつで死んだ家畜は数十万頭と推定されている。

国連は2017年、南スーダンの一部地域で飢饉を宣言した。

国連は昨年のレポートで「南スーダンの市民最大170万人が飢餓に直面している」と指摘。別の地域では4年前から洪水が多発し、200万人近くが避難を余儀なくされていると報告していた。

国連は▽世帯の5分の1以上が極度の食料不足に陥る▽児童の30%以上が急性栄養失調に陥る▽1日当たりの餓死者数が1万人中2人を超えた場合、飢饉を宣言する。

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