ソマリランド政府、イスラエル軍の基地建設計画を否定
ソマリランドは1991年にソマリアからの独立を宣言し、独自の政府や軍を維持してきたが、長年にわたり国際的な承認を得られずにいた。
とソマリランドのアブドゥラヒ大統領(ロイター通信).jpg)
アフリカ東部・ソマリランド政府は17日、イスラエルが同地域に軍事基地を設置する計画は存在しないと明言した。一方で、イスラエルがソマリランドの警察や軍に対する訓練支援を実施していることを認め、両者の安全保障協力が進展している実態を明らかにした。
ソマリランドのアリ(Mohamed Yusuf Ali Ahmed)国防相はイスラエル・テルアビブで開かれたビジネスフォーラムの会場でロイター通信の取材に応じ、一部メディアが報じた「イスラエル軍基地設置交渉」について「単なるうわさ」と否定した。そのうえで、「ソマリランドにイスラエル軍の駐留や軍事基地は存在しない。しかし、イスラエルは警察や軍の一部部隊の訓練を支援している」と説明した。
今回の発言はソマリランドのアブドゥラヒ(Abdirahman Mohamed Abdullahi)大統領によるイスラエル公式訪問に合わせて行われた。イスラエルは昨年末、国連加盟国として初めてソマリランドを独立国家として正式承認した。これに対し、ソマリア政府は自国の主権を侵害する行為だとして強く反発している。
ソマリランドは1991年にソマリアからの独立を宣言し、独自の政府や軍を維持してきたが、長年にわたり国際的な承認を得られずにいた。イスラエルによる承認は外交上の大きな前進と受け止められている一方、地域情勢への影響を懸念する声も少なくない。
イスラエルとソマリランドの接近をめぐっては、紅海やアデン湾に近い戦略的立地が背景にあるとの見方が広がっている。特にイエメンの親イラン武装組織フーシ派への対抗拠点として利用される可能性が指摘され、一部では軍事基地建設説も浮上していた。しかしアリ氏は今回、そのような協議は行われていないと重ねて強調した。
一方で、アブドゥラヒ氏は訪問中、「ソマリランドはビジネスに開かれている」と述べ、イスラエル企業による投資を呼びかけた。農業、水資源管理、再生可能エネルギー、医療、サイバーセキュリティなどの分野で協力拡大を期待しているという。イスラエル側も経済・外交・安全保障の各分野で関係深化に意欲を示している。
軍事基地構想こそ否定したものの、訓練支援や経済協力を通じた両者の結び付きは強まりつつある。イスラエルによる承認を契機に進む関係強化がアフリカ東部地域の地政学にどのような影響を与えるのか注目される。

