◎セネガルは西アフリカで最も安定した民主主義国家のひとつであり、大統領選が延期されたことは一度もない。
セネガルのサル大統領(Getty Images/AFP通信)

セネガルのサル(Macky Sall)大統領は10日、大統領選を延期するという自身の決定を擁護し、権力にしがみつこうとしているという野党の批判を否定した。

首都ダカールではこの決定に抗議するデモが暴動に発展。商店が略奪に遭い、放火も確認された。

サル大統領は先週、一部の候補者が失格になったり、汚職疑惑が報じられたことに対応するため、今月25日に予定されていた大統領選を延期すると発表。新たな投票日を12月に設定し、国会の政府与党もこれを承認した。

サル大統領はAP通信のインタビューで、延期は違憲であるという野党の主張を一蹴。「複数の論争を解決するためにはもっと時間が必要だ」と述べた。

しかし、野党支持者は3選を断念したサル大統領が退任を遅らせようとしていると非難。各地で抗議デモを行い、その一部が暴動に発展した。

セネガルは西アフリカで最も安定した民主主義国家のひとつであり、大統領選が延期されたことは一度もない。

今回の大統領選はサル大統領に3選を断念させた昨年の暴動から、野党候補の失格処分まで、様々な論争に悩まされてきた。

サル大統領は昨年、憲法を改正して3選を目指す可能性があると示唆したものの、これに反対するデモが暴動に発展、死傷者が出る事態となり、最終的に3選を目指さないと表明していた。

サル大統領は権力にしがみつこうとしているという野党の主張を否定した。「バトンを渡す準備はできています。私はその準備を進めてきました...」

ダカールの大統領府近くでは10日、数百人の暴徒と機動隊が衝突した。地元メディアによると、暴徒は路上でタイヤを燃やし、店舗を略奪。機動隊や車に石を投げつけた。

北部の都市で行われたデモでは学生少なくとも1人が死亡したと報告されている。

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