◎ナイジェリアはここ数十年で最悪の経済危機に直面している。
ナイジェリア、最大都市ラゴス(Sunday Alamba/AP通信)

ナイジェリア中部の学校に設置された食料配給所で群集事故が発生し、少なくとも2人が死亡、23人が負傷した。地元当局が22日、明らかにした。

それによると、事故はナサラワ州の大学構内で発生。州政府から寄付された米袋を配る臨時の配給所に数百人が殺到したという。

ナイジェリアはここ数十年で最悪の経済危機に直面している。消費者物価指数(CPI)は過去30年で最高水準に達し、ガソリン価格はこの1年で2倍以上に跳ね上がった。

昨年就任したティヌブ(Bola Tinubu)大統領はガソリン補助金の廃止や複数の為替レートを統一するなど、財政健全化を進めている。

地元メディアによると、配給所が設置されたアリーナ周辺に学生を含む数百人が殺到し、収拾不能に陥ったという。

AP通信の取材に応じた学生は「アリーナの入り口付近で数人が倒れ、叫び声が聞こえた」と語った。

ソーシャルメディアで拡散した動画には米袋を奪い合う人々の姿が映っていた。米袋を2つ抱えた男性は群集に飲み込まれ、姿が見えなくなった。

ナイジェリアの人口は2億1000万人超。その最大90%が低所得者層に分類される。

最大都市ラゴスでは先月、税関が押収した米袋を安価で販売するイベントに市民が殺到。少なくとも5人が圧死した。

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