◎ブルキナを含むサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織が猛威を振るい、この数年で200万人以上が国外に逃亡。その半数以上が子供とみられる。
ブルキナファソ、軍事政権を率いるトラオレ大尉(Getty Images/AFP通信)

    西アフリカ・ブルキナファソの軍事政権は25日、英BBCとボイス・オブ・アメリカのラジオ放送免許を2週間停止し、他のメディアに対し、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)の報告書に関する報道を行わないよう警告した。

    HRWが25日に公表した報告書によると、ブルキナ軍政はイスラム過激派に協力したとされる集落で56人の子供を含む住民223人を殺害したという。

    軍政の報道官は25日遅くの声明でHRWの報告書を「偽物」と呼び、この情報を流したメディアのライセンスを取り消す可能性があると警告した。

    西アフリカのブルキナ、マリ、ニジェール軍政は旧宗主国であるフランスとの関係を断ち、サヘル地域で存在感を増すロシアに接近。マリ軍政はロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結び、イスラム過激派だけでなく、民間人も虐殺している。

    ブルキナを含むサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織が猛威を振るい、この数年で200万人以上が国外に逃亡。その半数以上が子供とみられる。

    サヘル地域でこのような虐殺は日常茶飯事であり、逮捕者が出ることも処罰が下ることもない。

    AP通信は今月初め、昨年11月5日にブルキナ軍政が過激派とつながりのある集落を攻撃し、少なくとも70人を処刑したと報じた。

    それによると、治安部隊は住民が過激派を支援していると主張し、赤ん坊まで殺害したという。

    ボイス・オブ・アメリカは25日、「我々はブルキナに関する報告書を支持し、同国内における活動を公正に報道し続ける」と声明を出した。

    BBCはこの決定に関するコメントを出していない。

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